
お腹の痛みや下痢、吐き気など、かかると本当に辛い食中毒。
できれば「もしも」の事態になる前に、しっかり対策しておきたいですよね。
実は、食中毒の多くは日頃のちょっとした工夫で未然に防ぐことができます。
この記事では、厚生労働省がすすめる「食中毒予防の3原則」をはじめ、正しい手洗いのコツ、そして「ビオフェルミンなどの整腸薬は食中毒にどうアプローチするのか?」といった疑問について、分かりやすく解説します。
***目次***
厚労省が推奨する「食中毒予防の3原則」とは?

厚生労働省が推奨しているのが「つけない」「増やさない」「やっつける」という3つの原則です。
1. つけない(菌を広げない)
食品に原因菌を「付けない」ための徹底した衛生管理です。
・丁寧な手洗い
調理の前後や、生肉・生卵・生の魚などを触った後は、必ず手を洗います。
・調理器具の使い分け
包丁やまな板、布巾などは、食材(肉・魚・野菜など)ごとにできるだけ使い分け、使用後はその都度、洗浄・殺菌を行います。
・食品の保管方法
肉汁などが他の食品にかからないよう、ビニール袋や密閉容器に分けて冷蔵庫に入れます。
2. 増やさない(菌を繁殖させない)
万が一、食品に菌が付いていたとしても、それを「増やさない」工夫が必要です。
・適切な温度管理
食材は速やかに冷蔵庫(10℃以下)や冷凍庫(-15℃以下)で保存します。
・常温放置を避ける
調理した食品を長時間常温で置いたままにせず、早めに食べるか、粗熱を取ってすぐに冷蔵庫へ入れましょう。
・早めの消費と再冷凍の禁止
購入した食材は早めに食べきり、一度解凍した食品の再冷凍は避けます。
3. やっつける(菌を死滅させる)
ほとんどの食中毒菌は加熱によって死滅するため、しっかり「やっつける」ことが重要です。
・中心部までの加熱
肉や魚は中までしっかり火を通します(目安は中心部が75℃以上で1分間以上の加熱)。
加熱不足のまま食べるのは避けます。
・調理器具の消毒
使い終わった包丁やまな板などの器具は、洗剤で洗った後に熱湯をかけたり、消毒剤を使って殺菌します。
家庭や施設における食中毒対策のポイント
・家庭での対策
日頃から3原則を意識し、食材の買い出しから、保存、調理、食事、そして残った料理の保存に至るまで、一連の流れの中で衛生管理を心がけましょう。
・施設(学校・介護施設など)での対策
責任の所在を明確にし、衛生管理マニュアルの作成や調理スタッフの健康チェック、定期的な研修など、組織全体での取り組みをします。
特に乳幼児や高齢者など、免疫力の低い方が利用する施設では、より厳格な管理が不可欠です。
食中毒の主な症状と感染経路とは?予防の基本となる手洗い

食中毒の主な症状
以下のような症状が引き起こされます。
下痢・腹痛
水のような便が何度も出たり、時には激しい痛みを伴うことがあります。
吐き気・嘔吐
食後、数時間から数日以内に急激な吐き気や嘔吐が現れるのが特徴です。
発熱
体の免疫反応によって、高熱が出ることもあります。
知っておきたい感染経路
食品からの感染
原因菌に汚染された肉や魚、野菜などを、加熱不足のまま食べたり、常温で放置したりすることで感染します。
調理器具からの感染(二次汚染)
生肉を切ったまな板や包丁を洗わずに別の食材(生野菜など)に使うことで、菌が移ってしまいます。
人からの感染
感染した人の手や、便・吐しゃ物に触れることで広がります。
また、調理する人の手を介して食品が汚染されるケースも少なくありません。
食中毒予防の要!日常で徹底したい「正しい手洗い」
手洗いを行うべきタイミング
・外出先から帰宅したとき
・トイレの後、おむつ交換や介護の後
・調理を始める前、および生肉・生魚・卵などを触った直後
・食事の前
・ペットに触れた後
効果的な手洗いの手順
・しっかり洗う
流水と石鹸を使い、15秒以上かけて手のひら、手の甲、指先、爪の間、指の間、手首まで丁寧に洗います。
・きちんと拭き取る
洗った後は、清潔なタオルやペーパータオルで水分をしっかり拭き取ります。
タオルの使い回しを避け、個人専用のタオルを用意するのが理想的です。
ビオフェルミンは食中毒に効く?気になる効果と正しい役割

「ビオフェルミン」について、「食中毒の予防や治療に効果があるのでは?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
結論から言うと、ビオフェルミンは食中毒を直接治療する薬ではありません。
そもそもビオフェルミンとは?
主に腸内環境を整える「乳酸菌製剤」です。
乳酸菌やビフィズス菌など、もともと人間の腸内に住んでいる「善玉菌」を主成分としています。
お腹の中の善玉菌を増やし、腸内フローラのバランスを健やかに保つことで、便秘や軟便、お腹のハリといった不調を和らげる働きがあります。
食中毒に対する直接的な効果はない
ビオフェルミンには、食中毒の原因となる細菌やウイルスを死滅させる効果(はないので、食中毒を直接治すことはできません。
万が一、激しい腹痛や嘔吐、高熱などの食中毒症状が出た場合は、自己判断で整腸薬を飲み続けず、速やかに医療機関を受診して適切な治療を受けることが最優先です。
腸内環境を整える「サポート役」としての期待
食中毒の直接的な治療薬ではありませんが、お腹の中の善玉菌が優位な状態を保つことで、悪玉菌の繁殖を抑えたり、体の免疫機能を維持したりする効果が期待できます。
つまり、直接的な特効薬にはならなくても、普段から腸を健やかに保っておくことで、トラブルに負けない体づくりや、体調を崩したあとのスムーズな体力回復をサポートする「心強い補助の役割」として捉えるのが良いでしょう。
まとめ
「つけない」「増やさない」「やっつける」の3原則を意識し、基本となる丁寧な手洗いを習慣にしていきましょう。
また、身近な整腸薬であるビオフェルミンは、食中毒を直接治療するものではありませんが、日頃から腸内環境を整えておくことは、体の免疫力を維持し、トラブルに負けない健やかな体づくりをサポートしてくれます。