
年齢とともに体の衰えを感じる方は多いと思いますが、運動を控えてしまうのは逆効果です。
最悪の場合、歩行が困難になる「ロコモティブ(ロコモ)」という状態に陥ってしまうことも。
本記事では、ロコモの危険度を知るセルフチェックと、今すぐできる簡単な予防法を分かりやすく解説します。
健康な足腰をキープするために、まずは小さな一歩から始めてみませんか?
***目次***
ロコモティブってなに?高齢者が注意する症状は?

ロコモティブ(ロコモ)とは?
正式名称を「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)」といい、巷では「ロコモ」と略されることも多い状態です。
単なる「年をとったな」という感覚とは異なり、加齢や運動不足によって筋肉、骨、関節、神経などの機能が衰え、「立つ」「歩く」といった移動するための動作がスムーズにできなくなってしまった状態のことです。
ロコモを引き起こす原因
・加齢による変化
年齢を重ねることで、筋力や骨密度が低下し、関節の柔軟性が失われていきます。
・慢性的な運動不足
座りっぱなしの生活が長かったり、歩く機会が少なかったりすると、運動機能は急激に低下します。
・栄養バランスの偏り
特に骨や筋肉の材料となる栄養が不足すると、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)のリスクが高まり、体がもろくなってしまいます。
高齢者が注意したい「初期サイン」と症状
日常のなかで以下のような変化に気づいたら、ロコモのサインかもしれません。
・歩行の不安
歩くスピードが遅くなった、すぐ疲れる、平らな場所でもつまずく
・立ち上がりの苦労
椅子から立ち上がるのに時間がかかる、片足立ちで靴下が履けない
・階段のつらさ
手すりがないと階段の上り下りが不安
・痛みや違和感
膝や腰に痛み・腫れがあり、段差をまたぐのが不便
これらは「年のせい」と見過ごされがちですが、放置すると要介護リスクが高まるため、早めの注意が必要です。
自宅でできる!ロコモ度セルフチェック

「もしかしてロコモかな?」と気になったら、日本整形外科学会などが公認している「ロコモ度テスト」を自宅で試してみましょう。
代表的な3つのテストをご紹介します。
1. 立ち上がりテスト(下肢の筋力をチェック)
さまざまな高さの台から、手を使わずに立ち上がれるかで筋力を測ります。
【やり方】
椅子の前で両腕を胸の前で組み、反動をつけずに立ち上がります。
まずは両足、次に片足で試してみましょう。
【判定の目安】
・ロコモ度1(初期状態)
片足で40cmの高さから立ち上がれない(両足なら20cmから立てる)
・ロコモ度2(進行中)
両足でも20cmの高さから立ち上がれない(30cmなら立てる)
・ロコモ度3(要対策)
両足で30cmの高さからも立ち上がれない
2. 2歩テスト(歩幅とバランスをチェック)
歩幅を測ることで、歩行能力やバランス感覚を調べます。
【やり方】
1.スタートラインに立ち、できる限り大股で2歩歩いて両足を揃えます。
2.バランスを崩さずに立ち止まれたら、その距離(2歩分の長さ)を測ります。
3.2回行って、良かった方の記録を採用します。
次の計算式で「2歩値」を出してみましょう。 計算式:2歩の歩幅(m)÷ 身長(m)= 2歩値 (例:歩幅1.9m ÷ 身長1.65m = 2歩値 1.15)
【判定の目安】
・ロコモ度1(初期状態):2歩値が 1.1 以上 1.3 未満
・ロコモ度2(進行中):2歩値が 0.9 以上 1.1 未満
・ロコモ度3(要対策):2歩値が 0.9 未満
3. ロコモ25(心身の自覚症状をチェック)
日常生活や体の痛みに関する「25の質問」に答えるだけの、記述式のチェックシートです。
詳しい質問内容は、「ロコモチャレンジ!推進協議会」の公式サイトなどで簡単に確認・ダウンロードが可能です。
今からでも遅くない!ロコモティブ予防の基本

ロコモティブ(ロコモ)の進行を抑え、いつまでも元気に動ける体をキープするためには、「運動」と「栄養」の2つが基本です。
大切なのは、決して無理をしないこと。
まずはできることから、毎日の習慣にしていきましょう。
1. 下半身の筋力とバランスを鍛える運動
日常の「歩く」「立つ」を支えるために、まずは下半身を中心とした運動を取り入れましょう。
・安全なスクワット
バランスを崩して転倒しないよう、椅子の背もたれなどに捕まり、ゆっくりと行いましょう。
・無理のないウォーキング
1日20〜30分程度を目安にします。
背筋をスッと伸ばし、少し大股で、いつもより気持ち速歩きを意識しましょう。
・片足立ち・かかと上げ
壁や椅子に手を添え、片足立ちをしたり、かかとを上下させたりします。
ふくらはぎの筋肉やバランス感覚が鍛えられます。
・毎日のストレッチ
入浴後や就寝前など、体が温まっているときに行うと効果的です。
筋肉や関節の柔軟性をほぐし、怪我の予防につなげます。
2. 骨と筋肉を丈夫にする食生活
運動と同じくらい大切なのが、日々の食事です。
・タンパク質(筋肉の材料)
肉、魚、卵、大豆製品など、毎食片手に乗るくらいの量をバランスよく摂るのが理想です。
・カルシウム(骨の主成分)
骨を丈夫にするために、牛乳や乳製品、小魚、青菜などを積極的に取り入れましょう。
・ビタミンD(吸収をサポート)
カルシウムの吸収を助ける栄養素です。
鮭やサンマなどの魚類、キノコ類に多く含まれています。
3. 日常生活で意識したい小さな工夫
・「徒歩」を増やす
近所のお買い物は、車や自転車を使わず歩いてみる。
・座りっぱなしを防ぐ
テレビを見ているときも、CMに入ったら一度立ち上がるなど、同じ姿勢を長く続けない。
・適正体重をキープする
体重が増えすぎると膝や腰に負担がかかるため、食べすぎに注意する。
まとめ
足腰の衰えは「年のせい」と諦めず、早めに対策を始めることが大切です。
まずは「近くの買い物は歩いていく」「毎食タンパク質を意識する」など、できることから日々の習慣に取り入れて、いつまでも自分の足で元気に歩ける体を維持していきましょう!