
毎日、同じ時間帯に視覚障害者の人と、一緒に歩いている盲導犬を見かけます。
大人しそうな犬で、障害者の人見ながらゆっくり道案内しているように見えます。
そんなとき、この盲導犬はどんな訓練をして、どんなお仕事をしているのか、飼い主との関係はどんなものなのかなど、気になったりしませんか?
おそらく、多くの人はどんなことをしているのか、詳しくは知らないと思います。
そこで本記事では、盲導犬のお仕事とサポート内容、訓練方法、一日の行動スケジュールについてわかりやすく解説します。
盲導犬の献身的な姿を通して、人間と犬の深い愛情を感じるでしょう。
***目次***
盲導犬は何をするのか?サポートする内容は?

盲導犬はペット犬とは違い、視覚障害者のために歩行を誘導し、状況判断をして危険を察知する素晴らしい技術を持っています。
(安全に歩行を誘導する)
視覚障害者(ユーザー)が行きたい方向へ、安全に行けるように誘導するのが主な仕事です。
・歩くときは、道路の端を歩くように誘導します。
・段差や階段、曲がり角があると止まって知らせます。
・電柱や看板などの障害物に注意して、避けるようにします。
・横断歩道の手前で止まります。
(目的地への案内)
ユーザーが「進め」「右」「左」という「指示」を出すと、その通りに行動します。
また、「ドア」「階段」「改札口」など、ユーザーが指示した場所を見つけて誘導します。
ただし、カーナビではないので、知らない場所や「○○へ行って」と言っても、わからない場所を探したりはしません。
(危険回避)
犬は色を判別できないので、赤信号と青信号の違いがわかりません。
ユーザーが出した指示が危険な場合(例えば、車が走っている赤信号を渡れ)は、あえて従いません。
渡ろうとしている横断歩道が赤信号かどうかは、ユーザー本人が周囲の車の音や、信号の音、周りの雰囲気などで判断しなければなりません。
もし、あなたが障害者の人が横断歩道の前で立ち止まって困っていたら、信号が「赤」か「青」なのかを教えてあげましょう。
(公共の場所でのマナー)
ユーザーと一緒に、商業施設や公共施設などに入ることが多いですが、そこで吠えたり走り回ったり、食物を食べたりはしません。
周囲に迷惑をかけないので、大袈裟に嫌がったり、可愛いと言って触ったりしては、お仕事のじゃまになります。
[あすにこ] 缶バッジ 盲導犬 介助犬 聴導犬 同伴可 識別 注意 ピクトサイン 身体障害 アピール ヘルプ 3個 (介助犬)
盲導犬ってどんな犬? (盲導犬大百科 1) 単行本
盲導犬になるための訓練と視覚障害者との出会いは?

(厳しい訓練はしない)
訓練と言うと、厳しいものを想像しませんか?
実際の訓練は、犬と訓練士とのコミュニケーションが中心なので安心してください。
遊びや仕事の学習と通して、犬と人間の関係を深めることが目的であり、楽しみながら仕事を覚えます。
(盲導犬になるまでのステップ)
・誕生
・・・健康で優しい性格な両親から、盲導犬候補の子犬が誕生します。
・~2か月
・・・母犬や兄弟姉妹と一緒に過ごします。
・2か月~1歳まで
・・・ボランティアの飼い主家庭で、愛情豊かに育てられ、電車や車の音、家の中の生活、自然、人混みなど人間社会を経験し、慣れさせます。
・1歳~約1年
・・・盲導犬訓練センターで、訓練士と一緒に遊びながら褒められながら、「お座り」や「待て」というしつけや、リードでの歩行訓練など、基本訓練から学習します。
その後、専門スキルを学び、実際の街に出て段差や障害物を避ける訓練や、危険な場合は指示に従わずに安全を優先するという、「不服従の服従」と呼ばれる訓練を受け身につけます。
最終段階の時には、訓練士が盲導犬としての資質や誘導能力を評価して、適格と認められた犬だけが次のステップへ進みます。
不適格な犬は、次に進めずに一般のペット犬になることもあります。
・ユーザーとの出会い
・・・最終段階で盲導犬候補の犬は、いよいよ視覚障害者(ユーザー)と出会います。
訓練士は、最終段階で盲導犬の候補となった犬の体格や性格、希望するユーザーのニーズなどを照らし合わせて、最適なマッチングをします。
その後、ユーザーと犬の共同訓練が行われます。
・約4週間の共同訓練
・・・ユーザーは、基本的に約4週間訓練センターに宿泊をして、盲導犬との信頼関係を築くための共同訓練を行います。
実際に街の中を一緒に歩いて、交通機関の利用の仕方や、排泄や給餌などの犬の世話の仕方についても学びます。
・卒業
・・・共同訓練を経て、盲導犬とユーザーが問題なく生活できると判断されると卒業です。
卒業することで、現実にユーザーと盲導犬の共同生活が始まります。
卒業しても、定期的に訓練士が共同生活のフォローアップを行ってくれます。
カンタの訓練 盲導犬への道 単行本
盲導犬不合格物語 (講談社青い鳥文庫 279-2) 新書
盲導犬は飼い犬なの?一日の行動スケジュールは?

(盲導犬の飼い主は?)
飼い主はユーザーですが、一般的には盲導犬協会などの「貸与」となります。
(盲導犬貸与の条件)
一般的に取得申込申請は、地元の市役所や都道府県の障害福祉課です。
ただし、地域によって取得する条件に違いがあるので、各申請先に確認することが必要です。
例としては、次のような条件があります。
・原則18歳以上65歳未満(年齢制限が無い場合もあります。)
・視覚障害1級から2級(障害の制限が無い場合もあります。
・飼育と管理に責任がもてる人。
・一緒に生活、歩行ができる人。
・約4週間の共同訓練ができる人。
(盲導犬の1日の行動スケジュール:例)
・朝
・・・起床、トイレ、食事は大体決まった時間にします。
・日中(外出・仕事)
・・・ハーネス(胴輪)をして、ユーザーと一緒に外出します。
ユーザーの歩行を安全に誘導して、電車内などではユーザーの足元でじっと待機します。
・日中(ハーネスをする・しない)
・・・ハーネスをしているときは、「仕事中」と認識しています。
そのときは仕事に集中しているので、触ったり声掛けをしないようにしてください。
ハーネスを外したときは、「仕事から解放されている」と認識し、一般の犬と同様にリラックスします。
トイレや食事は大体決まった時間と場所で行いますが、排泄は一日に5~6回程度です。
・日中(帰宅)
・・・帰宅後、ハーネスを外して仕事から解放されると、自由時間になりのんびり過ごします。
・夜(就寝)
・・・ユーザーのそばで眠ることがほとんどです。
見えないボクと盲導犬アンジーの 目もあてられない日々 単行本
盲導犬との絆、静かな感動 - 光を失った33人が自ら綴るエッセイ - (ワニプラス) 単行本
まとめ
盲導犬は、ユーザーにとって生活する上で掛け替えのないパートナーです。
共同訓練を経て、長い人生をユーザーと共に学び合い信頼し合うことで、命を預ける存在となります。
盲導犬を見かけたときは、お仕事の邪魔にならないように気を付けましょうね。