
地域にもよりますが、お盆の時期に見かけるものに、キュウリとナスを動物に見立てたような飾りを見たことはありませんか?
それは仏壇の中などで、割りばしなどを足にして作られており、「精霊馬(しょうりょうま)」と呼ばれるものです。
精霊馬を飾る風習のある地域の方ならご存知でしょうが、まったく知らないという方もいるでしょう。
そこで本記事では、精霊馬の意味と全国的な風習なのか、また作り方についてなどわかりやすく解説します。
精霊馬は作るのも簡単なので、今まで飾ったことの無い方も、手作りしてみませんか?
***目次***
なぜお盆にキュウリとナスのお供え?精霊馬の意味とは?

精霊馬については割と有名な話なので、お供えする習慣のない地域でも、知っている人は多いと思います。
(精霊馬の意味とは?)
お盆にキュウリとナスをお供えする習慣は、「精霊馬」と呼ばれるもので、ご先祖様の霊があの世とこの世を行き来するための「乗り物」としての意味があります。
・キュウリは「馬」を見立てている
・・・馬は足の速い乗り物として知られています。
キュウリに割りばしや爪楊枝を刺して「馬」に見立て、「少しでも早くご先祖様の霊が、あの世から家へ帰ってこられますように」と願いがこめられているのです。
昔から人が乗る物としては、馬より速いものが無く、多少道が悪くても馬は駆け抜けることができます。
現在なら馬よりも車の方が速いのではと思う人もいるかもしれませんが、林の中を駆け巡るとか、狭い通路や階段などは、車では通り抜けできません。
・ナスは「牛」を見立てている
・・・牛は馬と同じく昔から人が乗ることもある乗り物ですが、荷物を載せることができますが、のんびりして足が遅いというイメージがあります。
ナスに割りばしや爪楊枝を刺して「牛」に見立て、「なるべくご先祖様が、この世での滞在をゆっくりと楽しみ、お供え物をたくさん持って、あの世へ帰れますように」という願いがこめられています。
(キュウリとナスを使う理由は?)
なぜキュウリとナスを使うのかについては、はっきりしているわけではなく諸説あるところですが、一般的にはお盆の時期に手に入りやすい野菜であるということです。
またキュウリとナスは昔から割と豊富に作られている野菜で、キュウリの細長い形やナスのずんぐりと太い形が、馬や牛に見立てやすかったというのが理由と考えられています。
このように、キュウリとナスには単なる飾り以上の「ご先祖様への想い」が込められており、日本人の豊かな供養文化を象徴する大切な意味があるのです。
キュウリとナス以外は使わない?全国的な風習なの?

昔からの精霊馬としてはキュウリとナスを使うことが多いのですが、実際には地域、宗派、家庭によって違いがあり、キュウリとナス以外を使うこともあります。
また、この風習自体も全国一律に拡がっているわけではないのです。
(キュウリやナス以外も使う)
キュウリやナスも馬や牛に見立てるということなので、馬や牛そのものではありません。
地域によってキュウリやナスの量が豊富でないところもあり、代わりにその土地で取れる野菜の中から選んで、馬や牛に見立てることもあります。
例えば、とうもろこしやゴーヤ、ズッキーニなどの他の野菜を使うこともあります。
(野菜以外を使う)
・野菜は傷むことや腐ることもあるので、野菜ではなく紙や折り紙、藁などで作ることや布や人形的な馬や牛を使うこともあります。
(全国的な風習なのか?)
精霊馬の風習は、主に関東から東北において多く見られますが、関西方面から西日本では見かけない地域が多いようです。
西日本では、精霊馬ではなく精霊船や精霊流し、灯篭流し、迎え火・送り火などが行われます。
北海道の場合は、元々全国から集まって開拓してきたので、精霊馬や灯篭流しなど、各地域や家庭で行っていることが違うこともあります。
精霊馬の作り方は?自己流の精霊馬を飾るのはいいの?

(基本的な作り方)
「用意するもの」
・キュウリ1本
・・・少し反りのある方が馬らしく見えます。
・ナス1本
・・・ずんぐりして力強い感じのものが牛っぽいですね。
・割りばしか爪楊枝
・・・足として使います。
・カッターや小刀
・・・割りばしを切る場合に使います。
「作り方」
・割りばしを4本同じ長さに折ります。
・折った割りばしを足として、キュウリとナスにバランス良く差します。
または、爪楊枝をそれぞれに足として刺します。
・キュウリには長めに、ナスには短めに刺すと、それぞれの足っぽくなります。
・でき上ったら、お供え用の盆棚や仏壇のそばに置くようにしてください。
(自己流の精霊馬)
精霊馬は、必ずキュウリとナスでなければならないという決まりはないのです。
「お盆にご先祖様をお迎えし、お見送りする気持ち」を形に見立てたものなので、自己流の精霊馬を飾っても問題はありません。
大事なのは、各家庭のスタイルに合わせた、ご先祖様に感謝や供養する気持ちです。
基本通りキュウリやナスを使っても良いし、独自にアレンジしたものや、既製品の物でもかまいません。
お盆のひと時をご先祖様とともに温かく過ごしましょう。
まとめ
精霊馬を飾るかどうかは、正式に決まっているものではありません。
しかし、飾る意味を理解している方は、自分で手作りするのも良いと思います。
ご先祖様への感謝を込めて、精霊馬でお迎えしましょう。