
車椅子の安全性を考えるときに、重要なものの一つに「ブレーキ」があります。
車椅子利用者だけではなく、介護者にとっても、ブレーキの種類や構造、正しい使い方を知ることは、事故を防ぐためにも必要な知識です。
そこで本記事では、車椅子ブレーキの種類と特徴、レバー式、トグル式、ドラム式の違いとメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
また、介助者として知っておきたいブレーキの選び方のポイントも、併せて解説します。
***目次***
車椅子ブレーキの種類と特徴は?
車椅子ブレーキには大きく分けて、レバー式、トグル式、ドラム式の三種類があり、それぞれ構造や安全性に特徴があります。
(レバー式ブレーキ)
・構造
・・・自走式車椅子に設置されているブレーキで、タイヤに直接レバーを押し当てて、車輪を固定するシンプルな構造です。
・特徴
・・・レバーが差し込まれている平板状の部分に、三カ所程度の固定する凹型の溝があり、その溝にレバーをはめ込みロックして、直接タイヤを押さえつけます。
シンプルで扱いやすく、車椅子利用者も自分で操作しやすいです。

(トグル式ブレーキ)
・構造
・・・レバー式のように平板でブレーキの強弱を切り替えるのではなく、レバーを操作して前後の動作だけで、ブレーキをかけることができます。
手前に引くとブレーキがかかり、押すようにするとブレーキが解除になります。
・特徴
・・・力が弱い人でも軽い力で操作でき、片手でも扱いやすいので、自走式車椅子の中では最も採用されているブレーキです。
別名タッグルと呼ばれることもありますが、トグルが正式名称です。

(ドラム式ブレーキ)
・構造
・・・レバー式やトグル式は、タイヤに直接摩擦をかけて止める構造です。
ドラム式は、直接タイヤを押さえるのではなく、後輪の車軸にドラムが取り付けられ、ベルト状の器具で巻き付けるように締め付け、車輪の回転を止めます。
・特徴
・・・介助者が後ろから操作する「介助ブレーキ」として使うことが多く、坂道や屋外で高い制動力を発揮します。
雨の日でも制動力にほとんど影響が無いので、滑りやすい路面でも安心です。

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レバー式・トグル式・ドラム式ブレーキの違いとメリット・デメリット
車椅子ブレーキは、その種類によって構造や操作などに違いがあり、それぞれメリットやデメリットがあるので比較します。
(レバー式のメリット)
・操作がシンプル
・・・操作が直観的でわかりやすいので、車椅子利用者自身が操作しやすいです。
・軽量、コンパクト
・・・構造が簡単なので、車椅子全体の重量に大きな影響を与えません。
(レバー式のデメリット)
・タイヤの状態が影響する
・・・タイヤの空気圧や摩耗により、ブレーキの効き目が悪くなることがあります。
・操作性
・・・力の弱い人の場合、片手操作が難しいことがあります。
・制動が限定される
・・・強い制動力ではないので、走行中の速度調整には不向きです。
(トグル式のメリット)
・操作が簡単
・・・レバーの操作で「ブレーキをかける、解除する」に切り替えるので、操作は簡単です。
・耐久性がある
・・・構造が単純なので、故障しにくいです。
・力が弱くても操作しやすい
・・・レバー式よりも、弱い力で操作できるので、力の弱い人や片手でも操作しやすいです。
(トグル式のデメリット)
・タイヤの状態が影響する
・・・タイヤの空気圧や摩耗により、ブレーキの効き目が悪くなることがあります。
・制動力は駐車用
・・・レバー式と同じく、走行中のブレーキとしては不向きです。
・誤操作に注意
・・・ブレーキは前後に動かすことでかかりますが、つい誤操作してしまうこともあり得ます。
(ドラム式のメリット)
・高い制動力
・・・主に介助ブレーキとして使用され、高い制動力があります
微妙な速度調整ができるので、下り坂でも安全性に優れています。
・操作
・・・介助者が、車椅子の後部ハンドルに付いているハンドグリップでブレーキをかけるので、坂道での速度調整に効果を発揮します。
・タイヤの状態が影響しない
・・・タイヤの空気圧や摩耗に直接影響されないので、雨の日でも安心です。
(ドラム式のデメリット)
・コストが高い
・・・構造が複雑なので、レバー式やトグル式と比較すると、車椅子の価格が高くなります。
・定期的なメンテナンスが必要
・・・レバー式やトグル式よりも構造が複雑なので、専門家に定期的なメンテナンスをしてもらう必要があります。
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車椅子を安全に使うためのブレーキ選びとポイントは?

車椅子を安全に使用するためには、「ブレーキ選び」が非常に重要です。
特に介護者が関わる場合は、使用者だけでなく周囲の安全も確保する必要があります。
(使用者の身体状況)
・ブレーキを自分で操作できるか
・・・自走することができる場合、実際にブレーキを操作することができるかを確認します。
操作できる人でも、レバー式よりもトグル式の方が握力や力の弱い人向きです。
・介助者がいる場合
・・・介助者が操作するドラム式がおすすめです。
(どこで使用するのか)
・屋外中心、坂道が多い
・・・屋外の使用が多いとか、坂道、濡れた路面の使用を想定する場合は、制動力の高いドラム式ブレーキが付いている車椅子が良いでしょう。
・屋内、坂道が無い
・・・屋内中心や、平坦な場所しか使用しない場合は、レバー式やトグル式でも安全です。
(介助者の能力と操作)
・介助者が主に使用する
・・・介助者が操作する場合、実際にブレーキを操作し、軽い力で操作できるか確認しましょう。
また、介助者が片手でも操作できるブレーキが望ましいです。
(メンテナンス)
・ブレーキの利き具合の確認
・・・レバー式やトグル式のブレーキは、使用前にタイヤの空気圧や摩耗状態、ブレーキのかかり具合をしっかり点検してください。
ドラム式は高性能ですが、内部構造が複雑なため専門的なメンテナンスが必要になる場合があります。
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まとめ
それぞれのブレーキ方式は「誰が操作するか」「どんな場所で使うか」「利用者の身体状況」などによって最適な選択が変わります。
また、使用者の身体状況や介護者の操作しやすさによって適したタイプを選ぶことが大切です。