
私達が日常的に使用しているエレベーターの中には、一般的に「車椅子ボタン」と呼ばれる特別なボタンが設置されていることが多いですよね。
そして、エレベーターを利用するときに、「普通ボタンと何が違うのかな?」などと疑問に思う人も少なからずいると思います。
車椅子ボタンと普通のボタンは似ていますが、実は車椅子利用者の利便性を高めるために、色々な工夫が詰まっているのです。
本記事では、エレベーターの普通ボタンと車椅子ボタンの違い、車椅子ボタンの設置場所、操作方法、開閉時間が長い理由などについて、わかりやすく解説します。
健常者の人も、日常で見落としがちな配慮の重要性を一緒に考えてみましょう。
***目次***
エレベーターにある、普通ボタンと車椅子ボタンの違いは?

(普通ボタンと車椅子ボタンがある理由は?)
健常者だけでなく、車椅子利用者や体の不自由な方の利便性・安全性を高めるために、車椅子ボタンが設置されています。
簡単に言うと、普通ボタンは健常者、車椅子ボタンは車椅子利用者などが使用するものです。
(設置位置)
・普通ボタン
・・・一般的な利用者が立っている状態で、押しやすい高さ(1m前後)に設置されています。
・車椅子ボタン
・・・車いす利用者、体の不自由な方、小さなお子様などでも手が届くように、普通ボタンよりも低い高さ(70㎝~90㎝程度)に設置されています。
(操作のしやすさ)
・普通ボタン
・・・押す力や反応は標準です。
・車椅子ボタン
・・・普通ボタンよりも、軽い力でも反応するように配慮されています。
(ドアの開閉時間)
・普通ボタン
・・・通常の時間で、3秒から5秒程度です。
・車椅子ボタン
・・・普通ボタンよりも少し長く、5秒から7秒以上に設定されています。
これは、車椅子ボタンを押した人が、乗り降りするときに、十分な時間を確保できるようにするためです。
(優先順位)
複数のエレベーターがある場合、車椅子ボタンを押すことで、車椅子設備が整ったエレベーターを優先的に呼び出す機能が付いていることがあります。
(ドアの閉まる時間)
車椅子ボタンを押すと、ドアが閉まるスピードが通常よりも、ゆっくり閉まるように設定されているものもあります。
車椅子ボタンの設置場所と操作方法は?

(車椅子ボタンの設置場所)
・壁側の低い場所
・・・床から70㎝~90㎝の場所に、独立した操作盤として設置されているのがほとんどです。
車椅子に座ったままでも操作できる高さになっています。
また、エレベーターホール(乗降入口)の呼び出しボタンも、低い位置に設置しています。
(操作方法)
・呼び出しボタン
・・・車いすボタンを押すことで、優先的に呼び出すことができる場合や、ドアの開放時間が長めに設定されていることがあります。
開放時間が長いと、車椅子の介助者がいる場合や、荷物の積み下ろしなど、時間がかかる場合に便利です。
車椅子ボタンで開閉時間が長い理由と押す人は誰?

(開閉時間が長い理由は?)
・車椅子利用者や体の不自由な方
・・・健常者に比べてエレベーターに出入り、また方向転換などに時間がかかります。
そのため、ドアの開いている時間を長くすることで、焦らないでゆっくり安全に乗り降りできるように配慮されています。
・車椅子の介助者
・・・車椅子利用者の介助をする人も、車椅子を出入りさせるときに時間がかかることがあり、開閉時間を長くすることで、安全に出入りできます。
・車椅子以外の方
・・・ベビーカーや大きな荷物を持っている人も、出入りに時間がかかることがあります。
これらの利用者にとっても、安全性や利便性を向上させる必要があります。
(車椅子ボタンを押す人は誰?)
エレベーターを利用する人は、健常者を始め車椅子利用者、体の不自由な方、高齢者、妊婦、ベビーカーを押している人、大きな荷物を持っている人など様々です。
また、これらの方が単独の場合や混合していることもありますが、基本的に健常者が車椅子ボタンを押す必要性はありません。
車椅子ボタンを必要とする人は、健常者以外でエレベーターの出入りなどに時間に配慮が必要な人です。
(健常者が押すのは禁止?)
車椅子ボタンを必要とする人は、開閉時間などの配慮が必要な人なので、車椅子ボタンの中には、「車椅子利用時以外のボタン押し禁止」「車椅子ご利用の方、もしくは介助の方以外の使用はお控えください」などと注意書きが書かれていることもあります。
これは、健常者がエレベーターを利用する場合、特別な配慮が必要でないので、車椅子ボタンを押すことで、通常の運行に遅れが生じることを防ぐためです。
健常者が間違って押すこともあるでしょうが、押してもデメリットやあってもメリットはないと考えた方がよいでしょう。
まとめ
車椅子ボタンは、車椅子利用者や高齢者、体の不自由な方などが、安全にエレベーターを利用できるようにした機能です。
健常者の方が、不必要なときに車椅子ボタンを押すと、運行効率や必要としている人の迷惑になることもあるので、適正に利用するようにしましょう。