
日常会話や文書を書くときに、「なので」「したがって」「ついては」といった接続詞を使うことがあると思います。
でも、「この場面でこの言葉を使っていいのだろうか?」など、どのように使い分けるか迷うことはありませんか?
実はこれらの言葉は、なんとなく意味が似ていますが、「話し言葉や書き言葉、通常の会話、丁寧な敬語を用いる場面」では、使い方に微妙な違いがあるのです。
本記事では、これら三つの接続詞について、使い分け、接続詞の言い換え例について解説します。
ビジネスメールや目上の人に、失礼のないように表現するスキルを身に着けましょう。
***目次***
「なので」「ついては」「したがって」の使い分けは?

「なので」「ついては」「したがって」は、それぞれ接続詞として、前の内容を受けて後の内容を導く働きをしますが、使われる場面や意味などに違いがあります。
(なので)
・意味
・・・前の内容が理由・原因となり、後の内容が結果としてつながります。
「だから」「であるから」に近いです。
・使い方
・・・日常的なカジュアルな表現で、親しい間柄のくだけた会話や文章で、多く使われます。
・例文
・・・明日は雨の予報なので、傘を忘れないようにしてね。
今日は残業なので、帰るのが遅くなります。
・注意点
・・・敬語ではないので、ビジネス文書や正式な書き言葉では避けた方がよいと言われています。
(ついては)
・意味
・・・前の内容を受けて、それに関する具体的な提案や行動を示します。
「それに関して」「そこで」に近いです。
・使い方
・・・ビジネスやフォーマルな場面で使われることが多いです。
・例文
・・・○○が決定しました。ついては、○月○日に会議を開催します。
○○が承認されました。ついては、○○についてご協力お願いします。
(したがって)
・意味
・・・前の内容から論理的に導かれる結果や、結論を示すときに使います。
「そこで」「それに関して」に近いです。
・使い方
・・・ビジネスシーンやフォーマルな場面で使われ、レポートや論文、文書などに適しています。
・例文
・・・○○が判明しました。したがって、指示のあるまでお待ちください。
○○の条件を満たしています。したがって、契約に問題はありません。
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話し言葉や書き言葉で変わる!接続詞の言い換え例

(話し言葉と書き言葉の言い換え)
接続詞は、話し言葉と書き言葉で適切に使い分けることで、文章や会話の印象が変わります。
そのため使い方次第で、洗練されたコミュニケーションを可能になることや、稚拙な印象を与えることもあるので注意が必要です。
(なので)
「なので」は、敬語ではないので、目上の人やビジネスシーンでは、言い換えが必要です。
・話し言葉・・・なので
・書き言葉・・・そのため、したがって、ゆえに、ですので
「言い換え例」
・話し言葉・・・「今日は雨なので、休みます。」
・書き言葉・・・「今日は雨ですので、休むことにいたします。」「今日は雨になりました。そのため休むことにいたしします。」
・話し言葉・・・「電車が遅れた。なので、遅刻しました。」
・書き言葉・・・「電車が遅延しました。そのため、遅刻してしまいました。」
(ついては)
「ついては」は、比較的丁寧な表現ですが、より丁寧な「つきましては」がビジネスシーンでは一般的に使われています。
・話し言葉・・・ついては
・書き言葉・・・つきましては、そこで、それに伴いまして、
「言い換え例」
・話し言葉・・・「○○の案件については、承諾します。」
・書き言葉・・・「○○の案件につきましては、承諾いたします。」「承諾いたしました。それに伴いまして、○○の案件を進めるようお願いいたします。」
・話し言葉・・・「○月○日に開店します。ついては、今日○時に会議をします。」
・書き言葉・・・「○月○日に開店いたします。つきましては、本日○時に会議を開催いたします。」
(したがって)
「したがって」は、話し言葉でも使用できますが、硬い印象を与えますので、より丁寧な言葉に言い換えるほうが、公式文書などに使われます。
・話し言葉・・・したがって
・書き言葉・・・したがいまして、そのため、よって、ゆえに
「言い換え例」
・話し言葉・・・「不備の面がありました。したがって書類を返却します。」
・書き言葉・・・「不備の面がございました。したがいまして、書類を返却いたします。」
・話し言葉・・・「全ての条件を満たしました。したがって、合格です。」
・書き言葉・・・「全ての条件を満たしております。そのため、合格といたします。」
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まとめ
日常会話で使用されている話し言葉の接続詞も、ビジネスなどで公式文書にする場合、そのまま使うと悪い印象を与えてしまうこともあり得ます。
特に取引先や目上の人など、書き言葉のように適切な言葉を使用することで、より丁寧な言葉として良い印象を与えると思います。