
近年、ネット上や一部の広告で「クレジットカード現金化」という言葉を目にする機会が増えていませんか?
一見手軽に現金が手に入るような言葉や、クレカ現金化優良店ランキング、良いことばかりの口コミ、さらに不正利用や違法でないという説明が続きます。
それを見て、これなら安心だ、ちょっと現金化してみようかなと思う人もいるでしょう。
でもちょっと待ってください。
このクレカ現金化には、ちょっとした仕掛けや、不正利用のリスクが潜んでいるのです。
本記事では、クレカのショッピング枠を使った現金化の仕組みや換金率について、不正利用のリスクについて解説します。
クレジットカード会社からの信用を無くさないために、現金化の内容を理解しましょう。
***目次***
クレカ現金化!ショッピング枠を使った現金化の仕組みとは?

(クレジットカードの機能)
クレカの機能には「ショッピング枠」と「キャッシング枠」があります。
・ショッピング枠
・・・一般の買物、通販商品のほかサービスを購入するために利用し、料金は後払いです。
一般的に、キャッシング枠よりも限度額が高い設定となっています。
・キャッシング枠
・・・一般のローンのように、直接現金を借ります。
クレカを現金化するというのは、限度額の高いショッピング枠を利用して、現金を手に入れることです。
現金を直接借りるキャッシングとは異なる方法で、主に次の二種類の方法があります。
「買取方式」
・換金業者が指定する商品(ブランド品、ギフト券、その他商品)を利用者にクレカで購入させて、その商品を換金業者が購入金額よりも低い金額で買い取る方式です。
・利用者は現金を受け取り、換金業者は低い金額で買い取るので、差額が手数料として利益になります。
(例)
・「換金業者」が指定した商品を「利用者」が50万円で購入します。
・購入した商品を「換金業者」が45万円で買い取ります。
・「利用者」には現金45万円が手に入り、「換金業者」には5万円(50-45)が利益となります。
・後日「利用者」にクレカ会社から購入代金50万円が請求されます。
「キャッシュバック方式」
・換金業者が販売する商品、または換金業者が指定する会社が販売する商品(価値の不明なものが多い)をクレカで購入させ、購入金額に応じた換金率で現金をキャッシュバックする方式です。
・利用者は現金を受け取り、換金業者は低い金額でキャッシュバックするので、差額が手数料として利益になります。
(例)
・「換金業者・指定業者」の指定商品を「利用者」が50万円で購入します。
・「換金業者・指定業者」から購入金額に応じた還元率(例えば90%)で、キャッシュバックとして45万円が支払われます。
・「利用者」には現金45万円が手に入り、「換金業者・指定業者」は5万円(50-45)が利益となります。
・後日「利用者」にクレカ会社から購入代金50万円が請求されます。
クレカ現金化で儲かるのは誰?換金率が高いという言葉に注意!

(儲かるのは現金化業者!)
「最高換金率95%以上!」「手数料はほぼゼロ!」「優良クレカ現金化サイト!」などというキャッチフレーズを見てクレカ現金化を検討する人も多いと思います。
しかし、還元率が高いも低いも関係なく、本当に儲かるのは「換金業者」なんですよ。
(手数料と換金率操作)
・手数料
・・・「利用者」が購入した金額と、換金業者の買取価格・キャッシュバック額との差額を業者は手数料として受け取っています。これが業者の収入源となります。
・換金率操作
・・・換金率は換金業者が自由に設定できるので、90%だろうが98%だろうが、どうにでもできるのです。
そのため、換金業者が複数のクレカ現金化サイトを運営している場合、Aサイトをダミーとして還元率90%にして、Bサイト(本命サイト)の還元率を95%にするなどお手の物です。
そうしてBサイトの方が利用者に有利だと見せかけて、クレカ現金化をさせるというもこともあります。
(還元率が高いという言葉に注意!)
「還元率が高いというのは、優良業者ではないの?」などと、素直に思ってはいけません。
前項で述べたように還元率は自由に設定できるので、99%の高還元率の業者もいます。
例えば99%の還元率で、換金業者の手数料が1件1万円だとしても、100件申し込みがあればあっという間に100万円儲かるのです。
そのために現金化サイトをダミーを含めて複数(例えば10件のサイトとか)作り、優良クレカ現金化サイトランキングなどとして公開しておけば、利用者は「こっちのサイトの方が還元率が高い、こっちにしよう」などと思ってしまいます。
実際には、どの現金化サイトや換金業者を選んでも、同じ業者が運営して換金率を操作しているかもしれないということを知っておきましょう。
クレカ現金化は不正利用?利用すると信用を失う?

(クレカ現金化は違法?)
クレカを利用して商品を購入し、それを販売しようがキャッシュバックを受けようが、法律に触れるわけではないと思っていませんか?
確かに「メリカリ」のように、購入したものを転売して現金を得るということは、法律違反ではありません。
(クレカ現金化は不正使用!)
クレカ現金化自体は違法ではないとしても、運営している換金業者自体が貸金業法や出資法違反行為をしていることがあります。
また、不正使用とみなされる可能性が高いのが、クレジットカード会社との契約に違反する可能性です。
これは、換金業者ではなく、クレカ現金化を行った利用者とクレジット会社との関係になります。
(不正使用の内容は?)
・クレカのショッピング枠は、あくまでも商品やサービスを購入するためのものです。
現金化を目的とする行為は、本来の目的外の利用となるので、クレジットカード会社の規約で禁止されています。
・また、現金化を意図して商品購入をすることは、クレジットカード会社との契約を欺く行為とみなされる可能性もあります。
(信用を失う可能性がある)
クレカ現金化が発覚した場合、クレジットカード会社の信用を失い、次のようなペナルティを受けることもあります。
・クレカの利用停止・強制解約
・・・規約違反として、一般的なペナルティです。
・利用残金の一括請求
・・・商品購入代金やリボ払いなど、一括での支払いを求められることがあります。
・ブラックリストへの登録
・・・ペナルティの内容や契約解除などの情報が、信用情報機関に登録され、新たなクレカの発行やローンの借り入れが断られる可能性が大きいです。
(クレカ現金化は避ける)
クレカ現金化は、本来のカードの使い方ではなく不正使用だと認識した方がよいと思います。
一時的に現金が手に入ったとしても、クレジットカード会社からペナルティを受けた場合の代償は大きいものです。
将来にわたって信用を失うリスクが高い方法だと認識しましょう。
まとめ
クレカ現金化サイトの中には、現在話題の詐欺グループや、暴力団組織が関与している疑いもあります。
国民生活センターや日本クレジット協会などのサイトで「クレカ現金化の問題」をしっかり参考にして現金化のことを考えてください。