
自分が亡くなった後に、残された家族が困らないように、自分の気持ちや大切な情報を整理して書いてあるのが「エンディングノート」です。
本来家族のために残しておくものですが、本人にとっても自分の亡くなった後どうするかを考えることができます。
現在の日常生活をする上でも必要な情報もあるので、とても便利な物だと思います。
本記事では、エンディングノートの目的と必要性、書き方と内容を詳しく解説します。
また、エンディングノートを書く前に、講座やセミナーを受ける必要があるのかについても併せて解説しますで、ぜひ参考にしてください。

・家族に対して情報を伝える
・・・万が一急死してしまったとか、意思表示ができなくなった場合に、家族が困らないように必要な情報を伝えるのが目的です。
情報の中には、財産関係、保険関係、友人関係、貯蓄関係、仕事関係、何らかの連絡先など伝えたいことなら何でも良いです。
・家族の負担を少なくする
・・・情報が整理されていれば、何らかの手続きもスムーズに行うことができます。
そのため、家族の肉体的・精神的な負担が少なくなります。
・意思を伝える
・・・突然の病気や事故、認知症などで、意思が表示できなくなることもあり得るので、前もってどうしてほしいのか書いておきます。
エンディングノートは、必ず書かなければならないわけではありません。
しかし、様々な情報を伝えることができれば、もしもの時に家族として、しっかり対応することができます。
また、意思疎通ができない状態になった場合に、家族内で本人の考えとの食い違いを防ぐことができます。
遺言書のように法的な効力はありませんが、本人の医療に対するものや葬儀などの希望が書かれていれば、家族としてはその希望に叶えたという安心感を得られます。
また元気な時に、エンディングノートで情報を整理しておけば、日常生活で本人が何の保険に入っていたか、何の会員になっていたか、有料会員なのかなど確認することができます。
そのように考えると、エンディングノートは終活以外の日常生活にも役立つ物です。
私個人の意見としては、エンディングノートは必要と考えます。
実際に私の母親が亡くなる前に、色々な情報をノートに書き留めてくれたおかげで、連絡先や情報整理、色々な手続きをなんとか解決することができました。
元気なうちに少しずつでも、自分の生活に関する情報を整理しておくことは、必ず役に立つと思います。
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エンディングノートには、完璧にする必要はありません。
本人が思いついたことや、伝えたいことを書くということが大切です。
しかしながら、どのように書いたらよいのか分からないという人も多いので、一応サンプル的な書き方をご紹介します。
(書き方のポイント)
・焦らず少しずつ書く
・・・情報を一気に書くのではなく、少しずつ書き足していくようにしましょう。
定期的に見直し、必要に応じて思いついたものや新しい情報を加えます。
・家族に伝えておく
・・・家族と内容の概要や、置いてある場所を共有しておきましょう。
せっかく書いても、家族が見つけられなければ意味がありません。
・希望は具体的に書く
・・・「〇〇については、〇〇にしてほしい」とはっきり、具体的に書きます。
(内容のサンプル)
「自分の基本情報」
・本人の氏名(ふりがな)、生年月日、血液型、住所、電話番号、緊急連絡先など。
・家族構成、家族の連絡先。
・親族の連絡先、友人・知人の連絡先。
「医療・介護」
・持病、服用している薬を書いておくと、病院や介護施設に報告できます。
・かかりつけ医や医師の情報、連絡先。
・延命治療の希望は、するかしないかをしっかり書きます。
・介護が必要になったときに、施設にはいりたいか、自宅に居たいかなどの希望を書きます。
・介護施設に入っている場合は、介護施設の情報。
「葬儀・お墓」
・葬儀を家族葬で行うとか、一般葬にしてほしいかなどの希望。
・遺影に使ってほしい写真や、呼んでほしい人など。
・お墓の管理をどうしたいかなど。
「財産・相続」
・銀行口座、証券、不動産、年金、保険の情報・連絡先。
・貴重品の有無や保管場所。
・借金やローンの有無。
・相続についての希望を書くこともありますが、法的な効力はありません。
「デジタル遺産」
・契約しているサービスや会員情報、無料か有料など。
・パスワード、ID、メールアドレスなど。
・本人が亡くなった後に解約するときに必要となるので、有料会員の場合は必ず書くようにしてください。
「家族へのメッセージ」
・家族へのメッセージや感謝の言葉を書くと良いです。
・家族以外の人に伝えたい言葉があれば、書いておきます。
(いつ書くか?)
思い立った時が、書き始めるタイミングです。
書く内容は、元気なうちの日常生活でも役に立つ情報なので、思い立ったときから少しずつ増やしていくと良いと思います。
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エンディングノートは難しそうと感じる方も多いと思いますが、決して難しいものではないので、深く考えないほうがよいです。
書かないことより、書いておいたほうが、後々便利だということです。
(専門的知識はいるのか?)
財産や相続など、専門的な知識がいるような気がすると思いますが、正式な遺言書ではないので専門的な知識は必要ありません。
相続については、法的な決まりがあるので、本人の希望通りになるものではありません。
エンディングノートは遺言書でないので、完璧を目指す必要はありません。
情報を少しでも残すことができればよい、と考えましょう。
(講座やセミナーは必要か?)
エンディングノートの書き方だけを考えると、講座やセミナーを受けることをおすすめしません。
インターネット上では、コンサル会社や葬儀社、通信講座などが主催している広告が見受けられますが、内容的にはさほど重要なものではありません。
講座やセミナーの中には、エンディングノートを書くことが必ず必要というように誘導し、グッズやノートを高額で販売することや、葬儀社への会員募集へつなげるものもあります。
エンディングノートの書き方や内容は、市販されている本を読めばすぐわかるような内容なので、あえて講座やセミナーを受けなくても理解できると思います。
ただし、時間的な余裕があって、他の人と知り合いになりたい、情報を交換したいなどの考えを持ち、お金を払っても参加したいという方であれば、個人責任で検討してください。
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まとめ
エンディングノートは、書きやすいところから気軽に始めることが大切です。
すべて完璧に書く必要はなく、大切な部分だけでもまとめておくと、家族にとって大きな助けになります。
「まだ早い」と思わずに、思いついた時に少しずつ書き始めてみることをおすすめします。