
「空の巣(からのす)症候群」とは、子供が家から巣立っていなくなることで、親が感じる寂しさや喪失感のことを言います。
特に子供中心の生活を送ってきた親や、シングルマザーの人がなりやすいと言われています。
寂しさは誰でも感じることですが、空の巣症候群がひどい人は、うつ病や不眠、食欲不振などの症状がでてきて、日常生活にも支障をきたすことがあるようです。
そのようになる前に、空の巣症候群になるのを乗り越えなければなりません。
本記事では、空の巣症候群になりやすい人の特徴と対処法を始め、シングルマザーができる予防法についても解説します。
空の巣症候群を、乗り越えるための参考にしてください。
***目次***
シングルマザーは要注意?空きの巣症候群になりやすい人の特徴とは?

空の巣症候群になりやすい人には、ある程度共通した特徴を持っていますが、特にシングルマザーは、他の親よりも空の巣症候群になりやすいようです。
その特徴には、次のようなものがあります。
(空の巣症候群になりやすい人の特徴)
・子ども中心の生活を送ってきた
・・・シングルマザーの多くは、子供を育てるのに全てを捧げ、子供中心の生活をしてきたということです。
そのため、子供が巣立つと生活の中心が無くなり、自分が何をしたらよいのか分からなくなり、孤独感が増してしまいます。
・趣味などに没頭できるものがない
・・・仕事や子育が生活の中心となっていた人で、自分の趣味が持てなかった人は、自分の時間を持て余してしまい、孤独感が一層際立ってしまいます。
・孤立感を感じやすい
・・・子供がいなくなった後に、話し相手の友人や頼れる人が少ない場合には、孤独感がより深まってしまいます。
・変化に対する適応力が低い
・・・環境の変化についていけない人、ストレスを感じてしまう人の中には、子供の巣立ちをポジティブに考えられず、気持ちの切り替えができないことがあります。
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親子の絆を大切にしながら乗り越える!空きの巣症候群の対処法とは?

子供がいなくなって寂しいと思う気持ちは、多くの親が持つ感情です。
だからといって、いつまでも立ち直れないのは、独立した子供に対して、余計な負担となることもあり、親として問題ではないでしょうか?
空の巣症候群に対処するには、親子関係を大切にしたまま、現在の環境を前向きに考えるようにしましょう。
乗り越えるために、次のような対処法をぜひ試してみてください。
(空の巣症候群の対処法)
・親子関係を新しい形へシフトする
・・・当たり前のことですが、子供が巣立っても、親子関係が無くなる訳ではありません。
今までの「子育てをする親」「面倒を見る親」から、「サポートする親」「応援する親」になりましょう。
子供に対して連絡をするのは良いですが、干渉しすぎないようにすることも必要です。
子供だって忙しいことはあるのです。
・自分のための時間を充実させる
・・・子供がいなくなった分、自分のために使える時間が増えるので、自由を楽しみましょう。
以前から興味のあったことを始めるとか、新しい趣味を見つけるのも楽しいですよ。
また、資格を取得するとか旅行へ行くのも良いでしょう。
・社会とのつながりを深める
・・・地域の活動やボランティア活動に参加すると、新しい出会いや交流が生まれ、孤独感や不安感が軽減されます。
また、同じような境遇の人と交流を持った場合など、お互いに色々話すことで、心が休まることや支えにもなるのではないでしょうか。
・無理をしないで専門家のサポートを受ける
・・・どうしても一人で乗り越えるのは無理だとか、感情が強すぎて日常生活にも支障が出る場合もあると思います。
そのようなときは、専門家のカウンセリングを受けてみるのも一つの方法だと思います。
決して悪い方法ではありません。
専門家に相談することで、自分の境遇や立場、心理的なものを分析し、アドバイスを受けることができます。
自分の気持ちをしっかり整理して、新たな生活へ踏み出しましょう。
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空の巣症候群を予防するには?シングルマザーが今からできることは?

子供が将来巣立ったときに、空の巣症候群になったら大変、またはなってしまうかもと思っているシングルマザーの方も多いと思います。
しかし、子供が巣立つことはわかっているので、今からでも空の巣症候群の予防策を考えることはできます。
つぎのような予防策があるので、将来に向けて参考にしてください。
(予防策)
・子供中心の生活から自分の時間を大切にする
・・・シングルマザーは、どうしても子供中心の生活になりがちですが、子供が巣立つ前から自分の時間をしっかり作るようにします。
自分の趣味や興味のあることに自分の時間を使うようにしましょう。
スポーツ、アート、習い事、旅行、読書、趣味、勉強など、子供がいなくなった後も続けることができるものが良いですね。
・子供に干渉しすぎない
・・・子供が小さい頃から、自分でできることは自分でやるように促します。
子供が自立心を持つことで、親も子供に必要以上に干渉しないようにします。
当然、子供の褒めるべきことは褒め、成長を喜び、身近で応援する親としての生活を目指しましょう。
・人間関係を築いておく
・・・子供が巣立ってから人間関係を築くという方法もありますが、みんながみんな新しい関係を築くことはできないかもしれません。
その点、子供が巣立つ前から、積極的に人間関係を築いておくという方法であれば時間的余裕はあると思います。
地域コミュニティや同じ趣味のサークルなど、自分が関わりやすいものから始めましょう。
自分自身の知識も広がると思います。
・自分の人生設計をする
・・・子供が巣立った後の自分のライフプランを考えて、新たな目標を立てておきます。
あくまで自分のライフプランなので、子供の存在は参考程度にしておき、やってみたかったことをやるとか、自分が楽しむための計画を立てましょう。
・経済的安定を確保する
・・・経済的に不安があるとストレスも溜まり、空の巣症候群も悪化する恐れがあります。
そのような経済的な不安要素を軽減するために、貯蓄や資産の運用を計画的に行いましょう。
ただし、資産運用は生活に支障のない程度の運用にして、短期での運用で利益を上げるようなギャンブル的な投資は避けます。
近頃は、資産運用の詐欺が横行しているので、信用のおける商品を選ぶようにしてください。
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まとめ
シングルマザーは、子どもへの愛情が深い分、空きの巣症候群になりやすい傾向があります。しかし、事前に自分の時間を充実させたり、交友関係を広げたりすることで、予防することは可能です。
「子育てが終わった=終わり」ではなく、「自分の時間が始まる」と考え、楽しみを見つけながら新たなステップへ進んでいきましょう。