
奥歯が続けて2本も抜けてしまった!
この場合、どのように処置するとよいのか、悩んでしまうと思います。
奥歯は、食べ物をかみ砕いて磨り潰すという役割があります。
2本も抜けてしまうと単純に言って、今までの約半分の能力になってしまいます。
治療法としては「入れ歯」「インプラント」「差し歯」などがありますが、それぞれ費用やメリット・デメリットがあるので、選択するのも悩んでしまいます。
そこで本記事では、奥歯2本の抜歯後、放置したままだとどうなるのか?入れ歯・インプラント・差し歯にした場合の費用、親知らずを抜いた後の治療法の選び方などについて解説します。
それぞれを比較して、自分にはどの処置がよいのか参考にしてください。
***目次***
奥歯を2本抜歯後に、抜けたまま放置したらどうなるの?

奥歯が2本並んで無くなった場合、抜けた状態のまま放置すると、以下のような問題が起こるようです。
(噛み合わせが悪くなる)
歯は隣の歯や上下の歯と、支え合いながら並んでいます。
奥歯を抜けたままにすると、周囲の歯が傾いたり、噛み合う歯が伸びてしまったりして、噛み合わせが悪くなることがあります。
噛み合わせが悪くなると、他の歯に過剰な負担がかかり、歯の寿命を縮めてしまいます。
(顎の骨が痩せる)
歯が抜けると、その部分の顎の骨が刺激を受けなくなるので、少しずつ痩せていくようです。
特に奥歯は、かみ砕く力が強くかかる部分なので、骨の減少が進むと、将来的に入れ歯やインプラントを入れるのが難しくなる可能性があります。
(発音や見た目の影響)
奥歯がないと、歯が支えていた頬の部分がくぼみ、顔が老けて見えることもあります。
(消化不良や胃腸への負担)
奥歯がないとかみ砕くことが不十分になり、胃腸に負担がかかって消化不良を引き起こすかもしれません。
消化不良だと、栄養の吸収を妨げたりする可能性があります。
(歯並びの変化)
・抜歯した部分のスペースを埋めようとして、周りの歯が移動してくることがあります。
これにより、歯並びが悪くなり、見た目にも影響が出ることもあります。
・また、歯が動き出した影響で、歯周病のリスクも高まることもあります。
(反対側の歯への負担が増える)
・片側の奥歯がないと、もう片方の歯でばかり噛むことになり、歯や顎に過度な負担がかかります。
その結果、顎関節症や他の歯の摩耗・破損を招くこともあります。
(口腔内の衛生状態の悪化)
・抜歯した部分に食べ物が詰まりやすくなり、また歯ブラシも届きにくくなるため、口腔内の衛生状態が悪化することもあります。
やってはいけない歯科治療 (小学館新書 い 26-1) 新書
その歯、残せます ~インプラント治療の前にもう一つの選択肢~ 単行本
入れ歯・インプラント・差し歯の違いは?奥歯の治療法と費用は?

奥歯を抜いた後の治療法として、「入れ歯」「インプラント」「差し歯(ブリッジ)」があります。
それぞれの特徴やメリット・デメリット、費用について詳しく解説します。
(入れ歯:部分入れ歯)
「特徴」
・取り外しができる人工の歯です。
・周囲の歯に金属のバネ(クラスプ)を引っかけて固定します。
「メリット」
・比較的安価(保険適用なら費用を抑えられます)
・手軽にできるため、外科手術が不要です。
・取り外して掃除できます。
・治療時間は短いです。
「デメリット」
・噛む力が弱いです。
・違和感が強いため、食事や会話に慣れが必要です。
・バネをかける歯に負担がかかり、外れる可能性があります。
・手入れが面倒と思うかもしれません。
・顎の骨が痩せるのを防ぐことはできません。
「費用相場」
・保険適用(レジン製):5,000円~15,000円程度
・自費(ノンクラスプデンチャーなど):50,000円~300,000円程度
「特徴」
・顎の骨にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工の歯を固定する治療法です。
「メリット」
・自然な見た目・噛み心地で違和感は少ないと言われます。
・他の歯に負担をかけません。
・耐久性が高く長く使えます。
・顎の骨が痩せるのを防ぐことができます。
「デメリット」
・自費診療になり、費用が高額です。
・外科手術が必要で、治療期間が長いです。
・骨の量が少ないと追加治療が必要です。
「費用相場」
・1本あたり:200,000円~400,000円(自費診療)
・追加費用(骨造成やメンテナンス費用など)
(差し歯(ブリッジ))
「特徴」
抜けた歯の両側の健康な歯を削り、人工の歯を橋のように固定する治療法です。
「メリット」
・固定式なので違和感が少ないです。
・見た目が自然です。
・保険適用の範囲内で治療できます。
「デメリット」
・健康な歯を削る必要があります。
・支えとなる歯に負担がかかります。
・噛む力は天然歯より劣ります。
・土台の状態によっては治療できません。
・歯の根っこが虫歯になる可能性があります。
「費用相場」
・保険適用(銀歯など):10,000円~30,000円程度
・自費(セラミックなど):30,000円~200,000円程度
歯科治療の新常識 単行本
図解でよくわかる 歯のきほん: 歯のしくみから病気、予防や治療、美容、健康、歯科業界まで 単行本
親知らずを抜いた後の治療の必要性と治療法の選び方は?

親知らずの抜歯後の治療が必要かどうか、またどのような治療法が適しているかは、親知らずの状態や、その後の状況によって異なります。
(治療が必要なケース)
・親知らずの隣の歯に影響が出た場合
・・・手前の奥歯が虫歯になることや、歯周病が悪化したときには、治療が必要です。
・噛み合わせや歯並びを改善
・・・抜歯後の噛み合わせを改善するために、矯正治療が必要になることがあります。
・顎の骨が痩せてしまった場合
・・・インプラント治療を行う場合、骨移植などの治療が必要になることがあります。
(親知らずの抜歯後の治療法の選び方)
・年齢が若い
・・・若い場合は、インプラント治療が適していることが多いです。
ただし、費用は高額になります。
費用を抑えたい場合は、差し歯か入れ歯を選ぶ方が多いです。
・歯周病の状態
・・・歯周病が進行している場合は、インプラント治療が難しいことがあります。
入れ歯か差し歯の方が適していると思われます。
・顎の骨の状態
・・・顎の骨が少ない場合は、インプラント治療が難しいことがあります。
入れ歯か差し歯の方が適していると思われます。
・費用
・・・入れ歯が最も安価で、次は差し歯が安く、インプラント治療が最も高価です。
・治療期間
・・・インプラント治療が最も治療期間が長いです。
(歯科医師との相談が大切)
親知らずの抜歯後の治療が必要かどうか、またどのような治療法が適しているかは、患者によって異なります。
歯科医師とよく相談し、ご自身に合った治療法を選びましょう。
100年歯がなくならない生き方: 常識をくつがえす!むし歯・歯周病の真実がわかる本 (知的生きかた文庫 こ 51-1) 文庫
おとなの歯磨き 単行本
まとめ
奥歯を抜いた後は、入れ歯・インプラント・ブリッジなどの治療法を検討するのが重要です。
それぞれ費用やメリット・デメリットが異なるため、自分に合った方法を歯科医と相談しながら選びましょう。