
あなたは、つい人の顔色をうかがってしまったり、ちょっとした出来事でびっくりすることがありませんか?
実は、そのような些細なことや周りのことが気になりすぎて、自分自身が疲れを感じる人は意外といるんですよ。
そして、そのような人は「HSP」と呼ばれる性格の可能性が大きいです。
本記事では、このHSPの特徴、原因、症状や、HSPが抱えやすい悩みと対処法、向き合い方などについて詳しく解説します。
自分自身と上手に向き合う方法を知ることで、日々のストレスを軽減しましょう。
***目次***
HSPとはどんな特徴がある人?原因、症状は?病気ではないの?

(HSPとは?どのくらいいるの?)
HSP(Highly Sensitive Person)とは、生まれつき感受性が強く、周囲の刺激に敏感に反応しやすい気質を持つ人のことをいいます。
そのような気質を持っているだけで、見た目が変だとか、異常な行動をするわけではありません。
人口の約15~20%が、HSPに該当すると言われていますので、5~7人に1人いると言う計算になります。
(HSPの主な特徴・症状)
HSPの特徴には、主に次のものがあります。
・物事を深く、じっくりと考える
・・・すぐに結論を出しませんが、人の顔色や感情については敏感です。
・感情や経験を深く振り返える
・・・なぜこうなったのかを振り返り、理由などを深く分析しようとします。
・些細な出来事でも、意味を見出そうとする
・・・なにか気になることがあると、納得するまで調べようとします。
・刺激を受けやすい
・・・強い刺激(音・光・匂い・気温の変化)が苦手です。
・人混みや長時間の会話で疲れる
・・・気を使いすぎるので、長い会話をしてしまうと疲れてしまいます。
・変化の多い環境が苦手
・・・環境変化などに刺激を受けることが多く、ちょっとした変化にも敏感で、不安になることがあります。
・他人との共感力が高い
・・・他人の気持ちを強く感じ取りやすいで、すぐに同情してしまいます。
・人の顔色や言葉の裏を読み取る
・・・相手の顔色が気になったり、その言葉に裏があるのではと疑ってしまいます。
(HSPは病気なの?)
HSPは病気ではなく、あくまで「気質」の一つです。
そのため、医学的な診断基準があるわけではなく、治療が必要なものでもありません。
HSPそのものは病気ではないものの、過度なストレスを抱えた場合、心の健康に影響を与えることがあるため、セルフケアや付き合い方が重要です。
体や精神的に悪影響がある場合は、しっかり対策をしなければなりません。
繊細な人が快適に暮らすための習慣 医者が教えるHSP対策 単行本
敏感すぎて苦しい・HSPがたちまち解決: 気疲れしてもうダメと思っても大丈夫! (知的生きかた文庫 た 44-3) 文庫
人の顔色が気になる!HSPが抱えやすい悩みと対処法とは?

(HSPが人の顔色を気にしすぎる理由)
HSPの人が相手の表情や態度に敏感になるのは、主に以下のような理由が考えられます。
・共感力が高い
・・・相手のちょっとした表情の変化にも気づき、「怒っているのでは?」「機嫌が悪いのかも?」と不安になりやすいようです。
・過去の経験から学習している
・・・幼少期に「相手の機嫌を損ねてはいけない」という環境で育った場合、無意識のうちに人の顔色をうかがう癖がついています。
・自己肯定感が低くなりやすい
・・・「相手に迷惑をかけてはいけない」という思いが強く、相手の顔色を気にしすぎて、「自分のせいで機嫌が悪いのでは?」と考えてしまいます。
(人の顔色を気にしすぎることによる悩み)
人の顔色を過度に気にしすぎると、以下のような悩みが生じることもあります。
・精神的に疲れやすい
・・・常に相手の機嫌を気にしているので、ストレスがたまります。
・自分の意見が言えなくなる
・・・「相手が不快に思うかもしれない」と考えすぎて、自分の意見を言えません。
・気にしすぎて相手に振り回される
・・・相手の感情に過剰に影響されると、相手のご機嫌伺いばかりになり、自分のことがおろそかになることも多いです。
(HSPが悩みを克服する対処法)
人の顔色を気にしすぎる癖は、少しずつ改善することが可能です。
以下の方法を試してみましょう。
・相手の問題と自分の問題を切り分ける
・・・「この人の機嫌が悪いのは、自分のせいではない」と意識しましょう。
・「相手の感情=自分の責任」という思考を手放す
・・・「自分が何か悪いことをしたのでは?」と考えがちですが、相手の感情はその人の問題であり、自分がコントロールできないし必要はありません。
・「気にしない練習」をする
・・・「気にしないこと」を少しずつ練習します。
なんでもかんでも自分で抱える必要はありません。
・あえて相手の反応を気にせず行動してみる
・・・普段なら「相手がどう思うか」を気にして言えないことを、あえて一度言うことも必要です。
違和感があっても、少しずつ慣れるようにします。
・「まあいいか」を口癖にする
・・・気にしすぎることをやめて、「まあいいか」と言ってみましょう。
心が軽くなります。
・ストレスを減らす環境を作る
・・・リラックスできる時間を確保し、静かな場所でのんびりする時間を作る、音楽を聴く、アロマを使うなど、リラックスできる環境を整えるのも有効と言われています。
・気を使いすぎる人間関係を見直す
・・・「この人といると疲れる」と感じる相手とは、少し距離を取るのも一つの方法です。
HSPと発達障害 「空気読みすぎさん」の能力 「空気読まないさん」の能力 (知的生きかた文庫 た 44-4) 文庫
「気がつきすぎて疲れる」が驚くほどなくなる 「繊細さん」の本 単行本
HSPとの向き合い方を考える!特徴を生かし自分らしく生きるには?

HSPの特性は、決して悪いものではありません。
自分の特性を理解し、うまく付き合うためには、以下のような方法が役立ちます。
(HSPとうまく付き合う方法は?)
・感受性の高さは共感力や創造力につながる強み
・・・HSPは、他の人と比べると、感受性や想像力が優れていると言われています。
その特性を生かす仕事を見つけ、積極的に取り組むことも良いでしょう。
芸術家、研究・分析など自分のペースで働ける仕事であれば、自分の持つ力を発揮することができるのではないでしょうか。
・刺激を減らす工夫をする
・・・強い刺激を受けるとすぐに疲れてしまいます。
騒がしい場所ではイヤホンを活用するとか、人混みやストレスの多い状況をできるだけ避けるように行動します。
・無理に人に合わせすぎない
・・・無理に気を使う必要はなく、自分のペースを大事にすることも大切です。
・ストレスを発散する習慣を持つ
・・・スポーツをする、日記を書く、自然の中で過ごす、好きな音楽を聴くなど、自分に合ったリラックス法を見つけるようにします。
・必要なら専門家に相談する
・・・生活に支障が出る場合は、心理カウンセラーや心療内科の医師に相談するのも一つの方法です。
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HSPは、「病気」ではないので、気にしないようにしましょう。
そして、自分の特性を理解し、無理のない生活を送ることで、より自分らしく生きることができるようになります。