
私達が日常的に使っているものの中に「数」があります。
リンゴが1個、10個などと量を表したり、〇〇町35番地など住所を示すときも使います。
この数は、世界中で使われていますが、各国で使い方や読み方が違い、日本独自の表現も存在するのをご存知でしょうか?
また、表現するにも、「基数」とか、「記数法」「命数法」という、聞きなれない言葉があるのです。
本記事では、数字の基数とはなにか?記数法と命数法の違いと日常の数え方、日本と世界の数え方の違いと進法について解説します。
普段はあまり意識しない「数」の見方を発見してみましょう。
***目次***
数の表現を楽しもう!数字の基数とは?

数字には「基数」という概念があります。
この「基数」 は、数をどの単位で数えるかを決めるものなんです。
ちょっとややこしいと思うかもしれませんが、読んでくださいね。
(基数とは?)
数値を表現するときに、「位取り」の基準となる数のことです。
・10進数の場合
・・・10倍ごとに桁が上がるので、基数は10となります。
私たちが日常的に使ってている進法なので、分かりやすいと思います。
・2進数
・・・2倍ごとに桁が上るので、基数は2となります。
2進法では、「1」は1、「2」は10、「3」は11、「10」は1010になります。
(位取りとは?)
位取りは、「桁(けた)」を定めることや、数の位を定めることです。
例えば、数を10進法で表すとき、1の位、10の位、100の位、1000の位というように、数の大きさや位置に応じて、それぞれの桁に名前を付けることを指します。
例として「456」の場合は
・4・・・100の位は、100が4つ
・5・・・10の位は、10が5つ
・6・・・1の位は、1が6つ
つまり、「456」は400 + 50 + 6= 456 という意味になるということです。
(なぜ基数が重要なのか?)
基数が変わると、数の表現や計算の仕方が変わる ため、数学やコンピューター科学、さらには日常生活にも影響を受けます。
私たちは日常生活では、10進法を使っていますが、デジタル機器は2進法を使って動作しており、色のコードやメモリの表記では16進法がよく使われています。
基数の考え方を知ると、普段使っている数の仕組みがより面白く感じられるはずです!
数の世界 自然数から実数、複素数、そして四元数へ (ブルーバックス 2126) 新書
数の歴史 (知の再発見双書 74) 単行本
記数法と命数法の違いと、日常の数え方は?

数は、私たちの生活に欠かせないものですよね。
物を数えたり、時間を計ったり、お金を計算したりと、様々な場面で数を使います。
その数を表現するには、記数法と命数法の2つがあります。
(記数法とは?)
記数法(きすいほう)は、文字や記号を使って数を表現するものです。
例えば、私たちが日常的に使っている「1,2,3・・・」という数字は、アラビア数字と呼ばれる記号を使った記数法です。
その他にも、ローマ数字(I, II, III・・・)や漢数字(一、二、三・・・)なども記数法の一種です。
日本で主に使われている数字は、アラビア数字、漢数字、ローマ数字です。
(命数法とは?)
命数法は、言葉を使って数を表現するものです。
例えば、「いち、に、さん・・・」という日本語の数え方は、命数法です。
日本では主に十進法を使用しており、
13752を命数法で表すと「いちまんさんぜんななひゃくごじゅうに」と呼び、これを分解すると「数字×桁」=「いち×まん+さん×せん+なな×ひゃく+ご×じゅう+に」です。
英語の「ワン、ツウ、スリー」も命数法です。
(記数法と命数法の違い)
「表現方法」
・記数法
・・・文字や記号を使います。
365は、365と数字で表現します。
・命数法
・・・言葉に出して数えます。
365は「さんびゃくろくじゅうご」と声に出して数えます
数字を何かを使って書き記すか、声を出して数字を数えるかの違いです。
(日常の数え方)
私たちは日常では、「記数法」と「命数法」の両方を使い分けています。
例としては
「電話番号」
・記数法(数字)・・・「254-6128」などと表現します。
・命数法・・・「にごよん」の「ろくいちにはち」です。
「物の数」
・記数法・・・「2個300円」「4個」「8人」などと書きます。
・命数法・・・「にこさんびゃくえん」、「よんこ」「はちにん」です。
「日付」
・記数法・・・「3月6日」「2027年」などと書きます。
・命数法・・・「さんがつむいか」「にせんにじゅうななねん」です。
文書では、 記数法(数字)で表現しますが、口頭では命数法(言葉)を使います。
このように、状況に応じて色々な数え方をしているんですね。
数学の世界史 単行本
親子で学ぶ数学図鑑:基礎からわかるビジュアルガイド 単行本
日本と世界の数え方の違いは?日常に隠された進法の謎とは?

日本と世界の数え方の違いや、日常生活に隠された進法の謎について探ってみましょう。
(数え方は、指から始まった)
私たちは、物を数えるとき、指を折って数えたりします。
これは、指が最も身近であり、数を数えるための最初の道具だったからです。
世界には、指を使った数え方(指折り法)が数多く存在するのですよ。
その数え方は、文化や地域によって様々です。
(日本の数え方:10進法)
日本では、10進法が使われています。
10進法は、10個のものを1つの単位として数えます。
指折り法では、片手の指を10本使って数えます。
そのため、10進法は人間の指の数に由来していると言われています。
(世界の数え方)
世界では、10進法以外にも様々な進法が存在します。
・20進法
・・・マヤ文明などで使われていたようです。
・12進法
・・・時間や月、十二支などに使われます。
・60進法
・・・ バビロニア文明で使われていたようです。
※ これらの進法は、文化や歴史、そして生活習慣によって生まれたと考えられています。
(日本と世界の数え方の違い)
・数字の読み方の構造
・・・日本語では、11を「じゅういち(10+1)」、12を「じゅうに(10+2)」と表現し、この場合「10+数字」の形式で数を読みます。
一方、英語では11を「eleven」、12を「twelve」と独自の単語で表現します。
また、13以降は「thirteen(3+10)」「fourteen(4+10)」と、数字と10を組み合わせた表現をします。
このように、数の読み方の構造が違うというのは、面白いです。
・数字の順序
・・・日本語では、17を「じゅうなな(10と7)」と表現しますが、英語では「seventeen(7と10)」と、数字と10の順序が逆ですね。
・助数詞の使用
日本語には、「本」「枚」「台」など、多様な助数詞が存在し、物の種類や形状に応じて使い分けます。
一方、英語では基本的に「one apple」「two cars」のように、数詞を直接名詞の前に置くだけで、特別な助数詞は使用しないようです。
(日常生活に隠された進法の謎)
私たちの生活の中には、10進法以外の進法が隠れています。
以下にいくつかの例を挙げます。
・時間
・・・時間の計測には60進法が使われています。
1分は60秒、1時間は60分で構成されており、これは古代バビロニア文明から受け継がれたものです。
・暦
・・・1年は12ヶ月で構成されており、これは12進法の名残とされています。
また、1週間は7日で構成されており、7進法とも言えます。
これらの進法は、古代の天文学や宗教的な要因から採用されたと考えられています。
・貨幣
・・・日本の貨幣体系では、1円玉が10枚で10円玉、10円玉が10枚で100円玉、100円玉が10枚で1000円札となり、10進法が採用されています。
まとめ
このように、日常生活の中にはさまざまな進法が組み込まれており、私たちは無意識のうちにそれらを使い分けています。
数を表現する方法は様々ですが、それぞれの特徴を理解することで、よりスムーズなコミュニケーションや計算が可能になります。